あったか人間
朝食を済ませ、さ~て食器を下げるか。と、
重い腰と重い腹(普段はほっそりとしていてまるでローラを思い出させるよ..ry)を持ち上げ、
歩いていると、
サササ_-)))と歩み寄る影。
ん?( -_・)??と、顔をあげると、
『さげますよ(^^)』とひとこと。
腹は出ていない。
婦人科患者の方である。
おそらく私のお腹を見て、あまり歩かせないように、との配慮のもとであろう。
なんという心遣い!!!
何ですか。
これをあったか人間と言わず、何と言うのですか!
日本人のオモテナシ精神を感じずにはいられませんでちた。
はて、私も年を重ねたらあんなサラリと気配りの出来る女性になっているのだろうか。
いや、モジモジくんになっているだろうな。
あ、持ってあげようかな、
どうしよ、どきどきどき、
余計なおせっかいよ!おばば!と言われるかしら。
ドキドキドキドキ
ドキド..あ..
自分で持っていっちゃった。無念。
な~んてことにな。
世の中捨てたもんじゃないですね♡
と、そこまでは良かったのだ
私はこの数分後、重大なミスを犯す。
歯みがきをしていた
無心で。
隣ベットの毎日少しお話ししている妊婦さんが
背後から『おはようございます』とご挨拶。
わたくしも満面の笑みでご挨拶し、その方に目をやると、
なんと目線がわたくしの手元へ!
手元にはなんと、マウスピース!
そう、わたくしは毎日のことなので無心でマウスピースを洗っていた。
しまった!!!
もう遅い。完全に彼女の目はマウスピースを捕らえていた。
もうおわかり頂けるだろう。
今日を境に、彼女は私の代名詞をマウスピース婦人にするのだ。
何を話していても、『あ、マウスピース婦人。』と頭に浮かべながら話すことになる。
そう、私は、やってしまったのだ。
元高校女子バレー部の方々は、おそらくあの石臼のような懐かしくいとおしいメロディを思い出すだろう。